Friday, December 03, 2004

ワーキングマザーの憂鬱

 昨日はへこむことばかりの1日だった。大体、12月2日は助手の8回目の誕生日だというのに、大学病院の診療日にあたっているので朝助手が目覚めないうちから出かけなければいけない。夜も多分起きているうちには帰れない。子供の誕生日に朝から晩までいない母親なんて、と世の中のみなさんはおっしゃるかもしれないけれど、たとえ研修医といえどプロである。そして助手の夢は「お母さんと同じ動物の医者」ならば、娘よ、母の背中を見て育て、である。
(ToT) 
もちろん、黙って出てくるなんてことはしない。テーブルのうえには小さな包みと花を用意はしてある。でもね、1日中今日は早く帰れないかなーと考えてしまう。
 木曜日にはたいていセミナーがあるので、どんなに早くても8時より前には終わらない。おまけに昨日はこの間の学会で見てきた症例報告などについて各人まとめて報告することになっていた。私も見てきた症例報告をパワーポイントに美しく、いつものモーニングセミナーよろしくまとめていったのだ。
発表の順番は運良くか悪くかトップバッター。これが裏目に出た。しょっぱなから美しく丁寧にまとめられたスライドの数が微妙に多かったらしい。前日徹夜で接待だったと思われる担当教諭はしょっぱなから辟易してこういった。「ひびちゃん、こんなにだらだら長いのはいらねえだろ。もっと手短でいいし、勉強になったことをまとめなおしてこい。」と、実際にはもっともっときつい口調で言われてしまった。
 ガーン、昨日2時間しか寝てないのにー、朝も4時に起きて頑張ったのにー、熱だって下がってないのにー 。確かにほかの先生たちはかなりはしょったスライドで手短だった。こんなんでよかったのかー。
そういうわけで私ひとり、来週、まとめなおして発表することになったのだが、終わった後に同期の研修医の一人がこういった。「最後の発表もひびちゃんと全然かわらないスタイルだったのに、なんでひびちゃんだけやり直し?あれっておんなじじゃん?」
私のほかにもう一人、同期の研修医が最後に発表したスライドの枚数は私より多かったのだが、担当教諭は何も言わなかった。まあ、自分の勉強にはなるからいいけどさ。何で私だけ、とへこむ。鍛えられている期待の星なんだと、勝手に思い込んで涙を飲む。ありがと、ミッチー、君がわかってくれただけでも私はうれしいよ。さすが同じカワサキ乗り、なんて関係ないか。
6万円かけて学会に参加し、参加していない人のためにボランティアでスライドを作って怒られて、ちょっと理不尽な気もするけど・・・・。何もしないで済んでしまうよりは、鍛えられているほうがいいかな。
 家に着けばやっぱり助手は夢の中。ごめんね、でもママ頑張るから(泣)19歳の誕生日にはママに銀の指輪を買わせてね。
 早速今日は職場にPCを持ち込んで、あいている時間、スライドの作り直しをしていた。学生に頼んで大学の図書館で英語の文献も探してもらった。
来週こそは、の心意気である。でなければ、助手の誕生日に留守をした言い訳にもならないもんね。ワーキングマザーは後ろめたさと背中合わせに生きている、ような気がする今日この頃です。

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