Monday, December 06, 2004

 先週からの風邪は引き続きのどのあたりに居座り、咳が出たり声が出なかったり、話をする仕事としては大変不便で、おそらく飼い主さんも話を聞きにくかろうと思う。
 今日は仕事が少し早めに終わったので、本屋さんに立ち寄った。厚木の有燐堂は20年以上前から私の寄り道スポットだ。そしてびっくり、韓国エンターテイメントの雑誌がたくさんある!!
 私は3年くらい前から韓国好きである。イビョンホンもチャンドンゴンも3年前から知ってたし、そんなイケメン俳優とか言われている人たちよりもソルギョングとかのほうがずっと好きだ。(シルミドとかペパーミントキャンディに出てる人)バンコクではスクンビットプラザに行けば、生きた韓国語があふれていた(ほとんど理解できなかったが)し、タイムズスクエアでは韓国映画のビデオも借りた。そのへんの映画が最近になって日本で封切られることなんか思いもしなかった。こんなに韓国ブームになるとは予想なんかまったくしなかった。だって、当時は韓国語を勉強していることも「変わっている」と言われる理由のひとつだったし、韓国語教室もほとんどなかった。
  あの頃はとにかく何でもいいから本を買いあさり、韓国の新聞を買い求め、エンポリのスタバでは韓国人女性をナンパ?してしまうという荒業までやってのけた。彼女の話し方があまりに可愛かったのだ。韓国語のあるところならどこでもうれしかった。最後にはDACOの韓国バージョンみたいなフリーペーパーに短いエッセイを頼まれて3本書いた。辞書とにらめっこで、何週間もかかって、韓国人スタッフがそれを手直しして、自分でPCに入力した。大変だけど、韓国人スタッフに囲まれてたくさん韓国語を話したし、表現もちょっと身についた。(「暑くて死にそう」とか「腹減ったー」とか)
 しかし私の韓国熱は冬のソナタの人気と反比例してさめていた。だって、あれ3年前のドラマだよ。恋愛はドラマより、自分のことのほうがよっぽど大切だ。それに、ヨン様と騒いでいるのが自分の母親世代というのも引っかかる。ところが、である。
 今年の9月、私が生まれて初めての学会発表をした「獣医臨床フォーラム年次大会」には韓国からの獣医師が大勢参加しており、私の発表を見ていた韓国人獣医師が私に私に質問してきたのだ。しかし、彼の英語力も決して優秀とはいえない・・・・。「ト ハンボン マレジュセヨ」(もう1ど言って下さい)
久しぶりに話す韓国語である。それを周囲の韓国人獣医師が聞き逃すはずもなく、あっという間に囲まれてしまった。しーかーし!!早口にはついていけませーん!そこまで流暢に話せないんだってばー!!辞書もってくればよかったー、というか韓国の先生がいるとは思わなかったもん。
 それでも、英語が得意とは限らない韓国から来た先生方には、その夜のウェルカムパーティでもすっかりつかまってしまい、ご馳走もお酒も胃袋にほとんど入ることはなかった。そりゃー、英語が堪能な獣医師はたくさんいるけど初級レベルでも韓国語が話せる獣医師はまだそう多くはないぞ。
 たくさんの先生とアドレスの交換をしたのだが、ついこの間、その中の一人でソウル市内で開業している同じ年の獣医師からメールが来た。「猫のFeLVについて質問があります」と。韓国でペットというと犬のほうが人気で、猫に関してはまだまだこれからなのだそうだ。いくつかの質問に答えるために久しぶりに辞書を引っ張り出した。日韓辞書でわからないことは英韓辞書を引っ張り出す。専門用語がそのまま通じるかわからないので英語も併記した。さすがに大変だったが、楽しい作業でもあった。
 それに大変喜んだ先生は「いつか、韓国にきて腫瘍や猫について韓国語でセミナーをしてください」と返事が来た。おいおい、腫瘍も猫も、大御所は私の師匠なんだよ。師匠をさしおいて海外でセミナーなんて・・・・やるのも楽しいな。バンコクでの学会で、日本の大学教授が「北米は北米でコミュニティを、ヨーロッパはヨーロッパでコミュニティを作っている。日本は獣医療先進国でありながら、言葉の壁・文化の壁にはばまれてどこにも行くところがない。日本こそがアジアのコミュニティをリードして作り上げるべきだ」と話をしていた。まあ、そこまで大それたことを私がするわけではないのだが、この業界の日韓交流の少しでも助けになれるかな。3年越しで「話せてよかったー」とちょっと思う。
 そんなわけで、韓国イケメン俳優には目もくれない私だが、韓国の先生がおいしいカルビをごちそうしてくれるというお誘いにもぜひ乗りたい、それには獣医の勉強も韓国語の勉強も、同時進行でやらなきゃいけないな。ああ、腫瘍認定医試験の勉強もしなくちゃ、おっと先週の宿題スライドも作って、ああっ、英語の文献が残ってたよー。今日はここまで。明日のサイレンちゃんの診察が楽しみだ。
 

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