Monday, January 09, 2006

今年も変わらず・・

新年最初のブログの書き込みをと思いつつ、なんだかんだと忙しい年明けであった。正月気分も抜けたかと思えば、年末大学で放射線治療を受けた犬が急変し必死の蘇生処置にも関わらず天国に旅立って行ったり、11月に「幸せをありがとう」というプレートをのっけたバースデーケーキをいただいたハチちゃんの上顎、一番大きな奥歯の上に腫瘍が見つかったり、心臓の縮むことが絶えない。
ただ動物が好きだというだけで獣医ができるほど、この仕事は平和ではない。どんな動物でもいつかは別れの時が来るし、その場面に立ち会ったりすることも、あるいはお別れの時が近いことを告げたりすることも私たちの仕事というか、役割であるから、飼い主と悲しみを共にすることも、あるいは誰も知らないところで心に深い傷を負っていたりする。にこやかに応対をしつつも、必死に続けた心臓マッサージの感触が手に残っている。ハチちゃんの腫瘍を治療しなければどうなるか、それを思うと胸が痛い。愛する家族を失った人々の心中を思えば、悲しみやつらさが増幅する。仕事を続ければ続けるほど、お別れをした動物たちの数が増えていくというのも、見ようによっては皮肉なものかもしれない。
でも、それでも獣医師であり続けたいと思うのは、死という別れの悲しみにもまさるものを生きている動物たちがもたらしてくれると思うから。その命のある間、どれだけの喜びとか癒しとか、言葉にできないものをたくさん動物がくれるだろう。そのかけがえのない存在である動物が健康でなければ、幸せも半分だ。動物が健康で幸せであることと同じくらい、動物と暮らしている人間が幸せでいられること。そのために私は獣医師であり続けたい。動物が好きであるのと同じくらい、一緒に暮らしている人間が好きだと思う。
お別れの数が増えても、それ以上に、幸せだった時間も増えるはず。今年もみんな、よい1年を過ごせますように。天国のみんなが、笑顔で見守ってくれているからね。

昨日、名刺を作りに行った。あちこちに行っている私には名刺がなかったが、これから開業しようという人間があちこちで名前を記憶してもらうのに、名刺は必要だ。逆に名刺の一枚もなければ、相手にもされない。今年の第一歩。自分の名刺を作る。

今日の愛川町は晴れ。新成人おめでとう。何がめでたいかはわからないけど。20歳の頃より、ずっとずっといい時間。あと10年もしたら、助手が私の振袖を着るのかな。新しいのが欲しいのかな。

0 Comments:

Post a Comment

<< Home