Tuesday, December 14, 2004

ハック、健康診断に行く

 今日は仕事が休み。先月、他の先生と出勤日(休み?)をトレードしたのだ。ああ、なんだか気分的に余裕だなー。そんな日こそ、ハックと翔ちゃんの健康診断をしなくては。最近忙しくて、バイクで5分の実家にもよれず、ハックも翔ちゃんもほったらかしなのでちょっと反省をする。
 ハックなんか、最近門扉を鼻先でちょんちょんと持ち上げて開けるという芸当を自ら考案したらしく、縁側の横にしきられている自分のエリアからいつの間にか出て玄関の前をうろうろしていたと母が報告してくれた。13年目にして、やっとわかったのか、なんかほのぼのだな・・・。そういえば、以前飼っていた宙太というアメリカンショートヘアーはキッチンのドアを開けることができた。それも、ドアノブに両手でぶら下がり器用にもガチャガチャと回してあけていた。開けても閉めることはしないので、冬場は家族のブーイングの嵐であった。残念なことに宙太は7年前、大学病院で腎臓移植を受け、退院当日の採血で無理な保定をされせっかくくっつけた新しい腎臓がぶっちぎれるという、同じ大学病院で研修医をしている身には絶対許しがたい医療事故で6歳で亡くなってしまったが、あれは投稿ビデオに最適だったと、今でも家族の話題に上る。
 朝から実家の車を借りてハックと翔ちゃんを乗せ、愛川町まで。こんなとき、大田区はさすがに遠くて残念だ。あそこのエコーのほうが性能はずっといいから、心臓までチェックしちゃうんだけど、行くまでに興奮しすぎてしまうだろう。それは検査としてあまり意味ないのであきらめる。
 今までも毎年血液検査はしていた。ハックも翔ちゃんも気が小さいので、病院ですごみをきかせるなんてことはない。翔ちゃんは診察台のうえに乗せると、あごをちょっと上を向かせるだけで採血が済んでしまう。ちなみに、実家でのんびり横になろうものなら、近くに寄ってきて私の髪の匂いをかいだかと思うと頭にかみつく翔ちゃんである。ハックも情けないもので、診察台に乗せようと抱きかかえる姿勢をとるだけで、伏せてしまう。診察台に乗せたらこわくて立ち上がれない。体重20kgの堂々たる体格とは大違いのこの気の小さいのは、誰に似たんだろう?私の心臓には剛毛が生えているといわれるのに。
 今年、ハックはお腹のレントゲンも撮った。知らないうちに何かできてたら嫌だから。この8ヶ月間、大学であまりにも多くの腫瘍症例を見たので、自分自身ちょっと敏感になっているんだと思う。
 大学に来る動物たちが、みな10歳を超えた老犬とは限らない。まだ5才や7才といった、決して老齢ではない犬も少なくない。動物も人間もいつか、その生命が終わるのは十分承知だし、その始まりから終わりまでつきあう覚悟のこの仕事だ。それでも、正確な誕生日のわからないハックが、いつ何があってもおかしくない年齢に十分さしかかっていて、そう遠くはないいつか、私を見つめるハックの瞳に二度と会えなくなってしまうのかと思うと、大学病院の診察室や待合室で目が潤んでしまうのを禁じえない。できるだけのことは、全部してやりたいよね。ハックは私が初めて飼った犬で、私が獣医師になって最初の年からずっと私を見ててくれたんだ。
 結果は二人とも問題なし。だからと言って100%何もないというわけでないが、何もしなければ何もわからない。やるだけのことはやっておかないとね。私が自分の病院を作るまで、頑張って長生きしててね、ハック。
 
 

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