Tuesday, June 26, 2007

寂寥

最近ハックは、私の車の後部座席に乗り込むと、実家の前で降りようとせず、わざと伏せをして「ボク、おりないよ」と上目遣いに私を見る。
ハック、今日はうちにお泊りじゃないんだよ。20kgの体を持ち上げながら、私と一緒にいたがるハックが、本当に可愛く思える。また今度ね。今度、お休みの前の日に、うちに泊めてあげるからね。

ハックや翔ちゃんの治療をするようになって、少しだけ後悔している。
どうして、もっと一緒の時間を作らなかったんだろう。
どうして、もっといろんなことをしてやれなかったのだろう。
ハックはこんなに私のことを好きなのに、どうしていつも仕事や子供の後回しにしてしまったのだろう。


どんなに治療しても、残された時間には限りがあり、それがいつも健康状態がよいとは限らない。
犬連れOKのレストランやカフェに一緒に行きたかった。
また海に行って、波の音が怖いハックを、もうちょっとアウトドア犬にしたかった。そういえば、清川村の谷太郎川沿いに遊びに行ったとき、ハックは喜んで水に入っていた。
ブルートみたいに、ノーリードで公園を散歩・・・は、ハックには無理だけど、おでかけは好きだったよね。
もうちょっと綺麗にシャンプーして、一緒にお昼寝してあげればよかった。
もっと早く開業していたら、ハックは看板犬になっていたに違いない。
病院でハックの点滴をはずしながら、いつも寂しくなる。

どうしてもっとハックと一緒にいてやらなかったんだろう。
どうして、あと少ししか時間がないときにこんなこと考えるのだろう。
どうしたら、時間を取り戻せるのだろう。
後悔するくらいだったら、どうして今まで後回しにしていたんだろう。
こんなに大好きなハックなのに。ごめんね、ハック。
今さらこんなこと言っても、もう遅いのかもしれないけど。


そう、今頃後悔しても、もう遅い。時間は取り戻せない。
大切なものは大切に扱わなければならないことを、失いかけて初めて知る。
ハックとのお別れは確実にやってくることを、静かに受け止めよう。
終わりのないものはないのだと。

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