Saturday, April 08, 2006

ハック 耳血腫になる

ハックの右耳がパンパンに腫れたと母に言われ、昨日仕事が終わってから実家まで行った。
駅まで母に迎えに来てもらい帰ると、まだ門から離れたところにいる私を、ハックは前足を縁側に乗せて立ち上がりじっと待っている。シルエットはあっても顔は見えていないはず。何で私を識別しているのだろう。足音か、匂いか、はたまた第六感か。
門まで来ると尻尾を雨戸にたたきつけるように激しく振るので、その音で家人は私が来たことを知る。
荷物を下ろし玄関のたたきにタオルを広げハックを入れると、待ちきれず私の膝まで顎をのせてきた。
そこで母に顔を抑えてもらって耳にたまった血を抜こうとしたら、大暴れで抵抗し耳を触らせようとしない。まったく治療できず病院に連れて行ったほうがよいと言うと、母は役立たずの娘に不服そう。んー、でもこれじゃ危なくて治療できないしなあ。
注射器を置いて玄関にいるハックのそばによると、警戒してよってこようとしない。ハックは怖がりで、風の音にもビクビクする犬なのだ。何をされるかとこちらをうかがい、他人みたいな顔をしている。
ごほうびにと買って来たササミジャーキーを取り出したらちょっと顔色が明るくなった。おすわりや待てをさせながら少しずつ距離が近くなるのを待つ。少しずつ少しずつ、ハックは私に近寄り最後には私の前で伏せをしながらササミジャーキーをねだっている。
今がチャーンス!母に注射器を持ってきてもらい、頭をなでながら耳を触ってみると、嫌がる素振りはない。ササミを口に入れる瞬間なでる手に力を少しこめ、針を刺すと意外と大丈夫。なんだ、大丈夫じゃん。弱虫ハックめ。
耳からは12mlの血液様液体がとれた。耳血腫と言うのが正式名称。格闘家の耳がつぶれたりしてるのは耳血腫のせいだ。
なでながら耳から血を抜く私に母がぼそっと言う。
「ハックはいつも真理のこと思ってるんだと思う」
私に会えたときの喜びようや甘え方は、他の誰に会えたときとは違うのだと。昔、私が乗っていたジムニーを追いかけてしまったように、今ならバリオスのエンジン音を追いかけてどこまでも走るだろう。
絶対開業するんだ。犬と暮らせるところに引っ越していつも一緒にいるんだ。だからハック、まだまだ長生きしててね。

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