Tuesday, October 17, 2006

びょーきに近い仕事

外来数の減少は、寒い季節の始まりだと、獣医師は実感する。あの忙しかった夏はもう遠くへと去ってしまった。日の落ちる時間も早まる今日この頃、黄昏の中動物病院に来る人影も少ない。薄暗くなった通りとは反対に、待合室の蛍光灯だけがやけに明るく感じてしまう。
それなのに。
なぜか最近、新患の数が多いような気がする。この暇な季節に、なぜか新患。それも1日に2件も3件も。今日、そのなぞがひとつ解けた。P病院は先生が入院されたそうだ。それで、こちらに流れてくる患者さんがいるわけだ。そういえば、M動物病院も院長先生が入退院を繰り返しているという噂だ。確かに、大田区は動物病院がひしめきあっている。ちょっと歩けばとなりの動物病院にすぐ行けてしまうけれど、こんなにあちこちで獣医師が入院しているっていうのは・・・・。
獣医師に多いのは、離婚経験者とうつ病の発症らしい。特に獣医師同士の結婚は離婚率が高いというのは、日本だけに限らないらしい。理由は四六時中同じ空間にいるから、問題も多くなるのだとか。うつ病が多いのは、拘束時間が長いわりに社会的地位も収入も高くなく、せまい職場で自分を抑圧しがちになるから、という説もある。
それ以外にも、働きすぎで病気になった話も聞くし、急遽院長代理を募集している病院もある。そんな打診を受けたこともあった。
この暇な季節に新患大歓迎だが、入退院する先生方のことを他人とは思えない。若くはないんですからね。体が資本、体を大切に。

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