Wednesday, January 31, 2007

機械

こともあろうに、少子化対策の一環を担う厚労省のトップがとんでもない発言をした。少ないから産めばいい、産ませればいいという発想は、男性ならではのものであろう。産む理由産まない理由がそれぞれにあり、人生の選択は個人の自由だ。15歳から50歳までの女性の人口は決まっているから、あとは一人頭で頑張ってもらうしかない、という発言は、彼の人間性の低さを物語り、またこのような人間を入閣させただけでなく「結果を出して国民の信頼を・・」などとのたまう首相の感覚を疑う。少子化は女性が産まないから、というのは最もだが、国に求められているのはそれに対してどのような政策をたてていくかということだ。少子化は食い止められない。たとえ、現在の出産年齢にある女性が頑張ったところで、今後女性の数は当分減少して行き、非婚人口も減らないだろう。それを踏まえて、どうしていくのか、ということが大事なのであって、少子化対策の遅れを「女性が産まないから」というのは責任転嫁もはなはだしい。
私たち、つまり40歳前後の世代は、男女雇用機会均等法世代である。男女の性別に関わらず、人生の可能性もチャンスも平等なはずだ。そうして頑張って社会に飛び出し、たくさん頑張ってきても、やっぱり平等ではないことを知る。ガラスの天井というのとはちょっと違うけど、仕事だけしていればいい男性とは違うのだ。産めば産むほど、可能性もチャンスも、目減りしていく女性は少なくない。もちろん、結婚したら仕事をやめて家庭に入ることを選択する女性も多い。結婚・出産に関して、女性側には多様性が生じているにも関わらず、社会全般や多くの男性はそれらの多様性とのずれがある。それも問題のひとつだろう。口では女性の生き方を応援するようでいても、心の底では家庭に入ることを望んでいる。それも、家庭を試みない自分のことは棚に挙げてね。
産むのも産まないのも、どんな生き方をしても、それはその人の人生であり自由。先の発言は、女性の選択の自由に対し批判を浴びせ、多くの不妊治療で悩み苦しむ女性を傷つけたのだ。まったく腹立たしいったらありゃしない。

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