Thursday, December 16, 2004

腫瘍科忘年会

毎週水木は大学病院だが、今週はセミナーと忘年会をかねての熱海一泊旅行だった。この旅行は腫瘍科研修医のOBが主催し、わられがボスと現役研修医、そして全国各地からのOBをまじえての懇親会でもある。今年はボスがDVDつきの腫瘍外科の本を出版したこともあり、普段から取材でお世話になっている(している?)出版社からも2名、労をねぎらうということで参加された。総勢42名、ほとんど獣医という濃い集団である。
午後から始まるセミナーは、大学病院腫瘍科におけるさまざまなデータの統計をとったものが紹介されたり、腫瘍科において診断が難しかった症例について検討を行ったりした。腫瘍科OBにとってはこれらの統計や症例検討はとてもためになる、と口々に言う。何もかもがシンプルに診断に導かれるわけではなく、診断とは総合評価により下されるのだから、どのようにそれを導き出すか、ということが重要なのだ。腫瘍学とは、腫瘍に関する知識や技術だけでなく、腫瘍の診断と治療に関わる全てについての思考回路の構築である。巷の一般獣医の先生方には、この思考回路が難しいのだ。
そして、このセミナーの様子は来年出版されるDVDつきの本の第2巻に一部収録されることになっている。本の巻末とDVDの最後には腫瘍科研修医の名前も出るので、第2巻には私の名前も出る。実はちょっとそれが楽しみ。本の価格は4万5千円。獣医学の専門書も専門性が高くなれば3万5h万は当たり前で、日本でも有数の、というかアジアでも指折りの腫瘍外科医が自分の手技をDVDにした本の価格としては決して高くはない。私の大学時代の友人も予約して購入したと言っていた。
夜は当然大宴会、あちこちに挨拶に回るのでゆっくり食べていられないのが残念だけど、福岡や岡山から来た先生とゆっくり話す機会もそうそうない。
2次会は、ボスの部屋にほぼ全員集合で、今年入った研修医から順にニコラシカの洗礼を受ける。ニコラシカとは、ショットグラスにブランデーを入れレモンスライスでふたをしてお砂糖を少しのせたものを、そのレモンを口に入れながら飲み干すというカクテルで、何杯も飲めば当然アルコール血中濃度は急上昇する。それ以外にもOBたちに飲まされてしまうので、お酒に弱い人がだんだん部屋から消えていく。幸い、アルコール濃度が急上昇したところで私は自分のペースを取り戻し、相当飲んだが醜態をさらしたり翌朝つらくなるようなことはなかった。単なる酒飲み?いえいえ、人並みです。
明けて翌日はボウリング大会。そして解散、今年もご苦労様でした。
と、これでおしまいと思ったら帰宅したところに、研修医副主任の先生から電話がかかってきた。「日比先生、来年も継続希望でしたよね?ボスが「ひびちゃんは今度卒業だろ?」って言ってたんですけど、多分ひびき先生と勘違いされてるんだと思うんですけど、念のため確認です。」だって。もちろん継続です。あー、びっくり。

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