Sunday, May 08, 2005

洗車して気づいたこと

ゴールデンウィークも最終日、特にいつもと変わりのない日曜日であるが、午後から実家に向かい実家の前でバイクの洗車をしてみた。バイクの洗車、と書くとなんだか鼻歌交じりの日曜日の風景のように聞えるが、そう簡単なことではない。おっかなびっくり、とりあえずできる範囲、わかる範囲できれいにしてみただけの話である。バイクに詳しい人が聞いたら、笑ってしまうだろうことは予想に難くない。しかし、何をしてよいのか何をしてはいけないのか、バイク乗りには常識と言われることでさえ、私にはわからない。だってしょうがないじゃん、誰だって最初は初心者さ。唇かみしめバケツを手にとりかかる私。
実は私の父は昔々、12年位前まではオートバイを所有していた。だからわからないことは父に聞けばよいのだが、今の父は全く興味もないし、危ないといって触ろうともしない。もとはと言えば父と一緒にツーリングに行くことを夢見てこっそり教習所に通い始めたのだ。免許を取ったら驚かそうと思っていたのに、二輪免許が取れる直前、父は10年間所有していたオートバイを処分(確か売却)し、それ以後オートバイには寄らず触らずの生活をしている。誰もあてにならないので、とりあえずいろんな人から聞いたことを実行してみることにした。
まず水洗い。ザバーっと水をかけても大丈夫らしい。ほんとかな、ほんとかな。びくびくしながら水をかける。わが愛するバリオス(神話の中の神馬に由来する名前)は水浸しだ。次に、中性洗剤を使って汚れを優しく落としていく。洗濯用洗剤できれいになるよ、と言ったのは誰だったかな。バケツに中性洗剤(ウールもシルクも洗える中性洗剤)をいれ、洗い始める。シートもタンクもきれい、キレイ。でもエンジンまわりやチェーンまわりは洗剤をつけるのが怖くて洗えない。タイヤのホイールもごしごし、ナンバープレートもごしごし。これ以上はこわいから、やめておこう、また水で洗剤をよーく流す。
目の細かいあたりのやわらかいタオルで水をふき取る。傷をつけないようにこすらずそっとタオルを押し当てるように水気を吸い取らせる。これは誰に言われたわけでもないけれど、女性雑誌の美容特集で紹介されていた、洗顔後のタオルの使い方だ。
次に、銀色に光る部分を磨きにかかる。表面に細かい錆がついてソバカスみたいになっている。丹念に丹念に、少しずつ磨いていく。ここって磨いていいのかなあ、わからないからやめておこう。
最後にワックスをかける。これも、自分の中で大丈夫と判断されたことしかやらない。ひょっとしたらやっちゃいけないことを、やってしまった可能性もあるのだが、それを判断する基準を私は持ち合わせていない。壊れなければよしとしよう。うん。
だいたい、バイク用品店に行って本当に困ってしまったのだ。バイクをキレイにするためのものが本当にいろんな種類がありすぎて何がなんだかわからないし、同じ目的でもいろんな会社からいろいろ出ているので、何がいいのかわからない。店員さんの言うことも半分以上わからない。なんだか忙しそうで、あれこれ聞くのは悪いな。しょうがないから、とりあえずこれにしてみようかな。女性化粧品フルセット使って肌の手入れをしろと言われた男性の気持ちってこんな感じ?いや、そんな機会は普通ないから誰にもわからないかも、この心もとない気持ち。
かくして無事?に終わったバイクの洗車。
ここまで書いて気づいたこと。初めて動物を飼う人が、周囲からあれこれ言われてたくさんの本を読んで、かえって不安になっちゃったりいけないことしちゃったりする。今日の私はそれと変わらない。相手が生き物ではないけれど、何をどうしたらよいのかってことは同じだ。
動物のオーナーの水先案内人よろしく、正しい情報へと優しく導くのが、獣医師の使命でもあるんだな。ぴかぴかのバリオスをなでなでしながら、気持ちを新たにする私でした。

0 Comments:

Post a Comment

<< Home