Tuesday, June 07, 2005

今日もご飯は美味しかったか、というと、味覚は美味しいというのだが歯が痛いのでなんとなく食べる気にならない。空腹は感じるのだけれど、歯をかばってゆっくり噛んでいると、だんだん食べる気がうせていく。2週間も前から歯科に行かなくてはと思っているのになかなか時間がとれない。自分で自分の治療をしてしまいたいところだけど、あいにく歯科治療をするのに十分な道具も機械もそろっていない。獣医療の世界では、歯科はまだまだ専門性の高い分野だ。需要も少ないので、治療に必要な機械はとても高価だし、その知識を持っていても技術を磨く場所がない。そういうわけで、もう2週間も、奥歯の痛みとつきあっているのだ。
1週間ほど前から食欲と元気がほとんどないトトちゃんが今日も来た。通院で点滴を受けている。担当は他の先生だし、本院の院長先生がアドバイスされているので、私が関わることはほとんどない。連日の通院点滴と血液検査、しかし、いっこうに症状がよくなる兆しが見られない。トトちゃんはケージの中でやる気のない瞳をこちらに向けて、だるそうに横になっている。
トトちゃんはコーギーなので同じ体重の犬に比べて手足が短く、採血や点滴の針を留置するのが一苦労だ。とうとう今日は採血できるところがない、という事態に陥った。今日採血をしようとしていた先生は、手足がダメなら首から、ということで一生懸命血管を捜すのだが、なかなか見つからない。首の皮膚がたるんで血管が浮き出るのを邪魔するのだ。最後は年の功、私がかわって採血をしたが、手足の血管は確かにもう採血をする余裕はない。点滴を優先させるので、採血は手足以外から、ということになる。点滴の針だって、もう入るところはないように見える。あと残されているのは手首のすぐうえくらいだろうか。血管は十分浮き出るけれど、歩くのには邪魔な場所だ。
毎日毎日、ただただだるそうに寝ながら点滴を受けているトトちゃんを見ているスタッフも、切なくて仕方がない。トトちゃんの診断も、決して手をこまねいているわけではなく、数日前に行ったホルモン検査の結果が検査センターから届くのを待っているのだ。明日には届くだろうか。みんなが待っている。

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