Thursday, January 20, 2005

これを読む同業の若い方々へ

若い先生たちはとても治療に一生懸命だ。勉強熱心で、とても感心する。私よりも優秀な獣医師もたくさんいる。
でも、忘れて欲しくない。動物病院にはたくさんの動物が飼い主に連れられてやってくる。だから、それだけの数の飼い主さんとも話をしなければならない。飼い主さんの中には、いろんな人がいるし、それは当然のことなんだけれど、飼い主さんにだって個性はあるし、いろんな人がいる。それをいちいち、この飼い主さんは変わってる、とかヘンな人だ、とか言っている、そこの先生。自分の家族である動物の病気を治したい一心で、藁をもすがる気持ちでここまではるばる来る飼い主さんの、そりゃあ、はたから見たら度を越えた行動かもしれないけれど、一生懸命な気持ちを、あなたは汲んでるのか?
世の中にはいろんな人がいるし、自分だってちょっと変わってる(らしい)から、私は多少変わってる人がいたってびっくりしないけど、飼い主さんの性格を選んで病気を治すつもり?今日はちょっとがっかりしたよ。
あの人が変わってるとか、紹介状や診療依頼のメールを見ただけでまだ話もしないうちから、そんな色眼鏡かけていいのかな。本当の気持ちは、顔に出てるよ。
誰のために、この仕事をしているのかな。動物の病気さえ治れば飼い主の気持ちなんかどうでもいいって、それじゃあいつか転医されちゃうよ。獣医療不信の最大の原因は、獣医師のおもいやり不足やコミュニケーション不足だって、わかってるのかな。
どんなに優秀な小児科医でも、思いやりのない先生、親の気持ちのわからない先生に助手を診てもらいたくない。それと同様に、腕が優秀でも飼い主の気持ちのわからない先生に自分の動物を安心して預ける気持ちなんか、ないと思うけどね。
今日は何も言わなかったけど、次に同じようなことしたら、多分黙ってないからね。先生には、いい獣医師になって欲しいから。

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