Thursday, March 24, 2005

出発前夜

いよいよ明日は出発だ。といっても、バンコクに行くのと違い赤坂を午後2時に出発、飛行機は5時半で、あちらにつくのは8時半、新幹線で岡山行ったりするのより近いのであんまり遠くに行く気はしない。泊りがけの出張ってこんな感じだろうか。
旅費は自腹でプライベートな参加だが、メンバーがメンバーだけにちょっと緊張してしまう。事前に知らされているのは大学時代の恩師で日本臨床獣医学フォーラムの代表であり今回のカンファレンスでは名誉大会長を務める超ビッグ、そして今回カンファレンスでAHT向けの講義をされるのは赤坂にあるこれまた有名な動物病院の女性副院長先生、そして開業されている3人の先生だがこの3人も臨床フォーラムの幹事の先生方である。そんなところに私が紛れ込んでよいのだろうか?ちなみに他の皆さんは旅費は経費で落とせるはずだ。ああ、私も早く経費で落とせるようになりたい。
私の学生時代の恩師がどれくらいビッグかというのは、なかなか業界の人間でなければわかりにくいのだけれど、私が会員になっているJAHA(日本動物病院福祉協会)でも日本獣医がん研究会でも、そして日本臨床獣医学フォーラムも代表やら理事やら、そういうトップか準トップくらいの位置にいらっしゃるのだ。そんなビッグと赤坂から成田空港までもご一緒だなんて!!緊張しちゃうよー。そして、あまりにすごすぎる恩師をもったおかげで、落ちこぼれだった私は長いこと自分の出身大学は言えても出身研究室の名前は出すのをはばかられていた。
数年前、バンコクから帰って最初に勤務した病院が、JAHA認定病院サポートセミナーというのに参加したとき、症例報告をしようとした瞬間、私の言葉をさえぎって、先生がこうおっしゃった。「彼女は僕の大学教諭時代の教え子で・・・」そこに同席していた先生方は、JAHAの認定病院になるだけある大きな病院の先生方である。そういった席で教え子と明言していただいたのが、どれだけ嬉しかったことか!その後、JAHAのスペシャリストセミナーに、これまた自腹で何度か参加したが、あいさつに行くたびに先生は外国からの招待講師に「彼女は僕の教え子で・・・。」と紹介してくれた。
それが励みともなり、がんばってがんばって、職場を変わっても頑張って、そしてついには年齢も顧みず腫瘍科に入ってしまったのは、私がおだてられたサル並みだということの表れかもしれない。単純。
思い起こせば15年前、その研究室は入室希望者が多く、先生と1対1の面接が行われることになった。その当時、つきあっていた彼からもらった指輪をしていた私に先生はこう言った。「獣医の仕事は、昼も夜も、平日も休日も関係ないことが多い。女子学生は頭はいい人が多いけれど、ボーイフレンドができるとそういう生活に我慢ができなくなり、最後には獣医の仕事から離れてしまう。それだったら僕は成績が悪くても男子学生を取りたい。」そんなこと言われたぐらいで自分の希望を取り消す私ではなかったので、結局入室できてしまった。(しかし後から聞いたところによると、私が入室できたのは目が大きいから、らしい。本当か??それってあり?)
私が大学を卒業してから数年後、大学の経営に関して問題が起こり(新聞にも載ったしニュース番組でも取り上げられた)、先生は大学を辞めてしまわれた。それからのほうが先生にお会いする機会は多い。
しかし、そんな先生とのつながりがあることは腫瘍科ではあまり自慢できることではない。逆に、ちょっと肩身が狭い思いをしている。それだけすごい先生の教え子だからさぞかし優秀だろう、という期待と皮肉。私のほかにも教え子だった先生はいるのだが、彼は確かに優秀だ。なんといってもⅠ種認定医、つまり真の腫瘍認定医だ。その先生と一緒にされるのは、私にとっては申し訳ない気持ち、その先生から見たら多分迷惑な話だろう。

ま、話が長くなってしまったが今回の韓国行きはプライベートだけど気が抜けない、休みをとったのに気は休まらない、仕事とあまり変わらない気分だ。おまけに、韓国でも日本国内と同じ番号で通じる携帯電話をレンタルすることにした。2つの病院でスタッフに聞いたら「連絡つくほうがいい」と言われちゃったので。私の留守中何事もないことを祈ろう。テリーくんとケンちゃんのことはキムに任せた。よろしく。めじろちゃんはエルファーロに引き続き入院中だ。あの院長をして難しいらしい。申し訳ない、よろしく頼みます。助手のことは母に頼む。いつもすみません。おみやげ買って来ます。
いざ、韓国へ。対日感情の悪化がちょい心配。(弱気)美人好きな恩師のために、今夜はパックして小じわをのばしておこう。けなげだわ、私って。

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