Friday, April 01, 2005

韓国学会後記

あっという間に1週間が過ぎてしまった。せっかく韓国のホテルでは自分のPCをネットに接続できたのに、ブログの更新をする時間がなかった。到着してから帰国まで、けっこう忙しかったのだ。到着したその晩は、通訳の先生(韓国の獣医さん)をまじえて、みんなでホテル近くの焼肉やさんへ。何しろ、UAの機内で出された機内食のランチボックスが冷凍寸前に冷えたハムチーズサンドとプレッツェルで、物を食べた心地などしなかったのである。たった3時間足らずの飛行時間でも、あんなのを出されると体が冷えてしまう。そういうところがアメリカの航空会社、という感じがした。やっぱり、あったかいものを食べたいものだ。で、さっそくカルビというのは恩師のリクエスト。そして、夜10時過ぎからの焼肉大会である。豚肉のバラをかりっと焼き上げて食べる「サムギョプサル」に続いて、A4サイズくらいの大きさの骨付きカルビ、テーブル狭しと並べられる小皿の数々、ああ、一緒にきてよかった。おいしいよー。そして、ごはんものはちょっとお腹にきびしいかも、というところで、初めて食べる「ヌルンジ」これは、石焼ピビンパなんかでできる「おこげ」にお湯をさしただけのものだ。日本の感覚でいえば、お茶漬けというか湯漬けとでも言うのだろうか。味が特別にあるわけではないのだが、さっぱりしているので口をすすぐような感じがする。あー、もう動けないよー、という状態で午前1時、お店も閉まる時間である。ホテルはヨイドという日本の永田町のような証券街のようなところにあるビジネスホテルのようなところ、と聞いていたのだが、内装はちょっとデコラティブで、部屋はダブルベッド、やたら広くてバスルームだけで日本のビジネスホテルくらいありそうだ。おまけにミストサウナまでついている。これって本当にビジネスホテル?

翌朝はホテルのコーヒーショップで朝食、ということだったが、こればっかりは悲惨。トースト2枚とインスタントコーヒー、ジュースか牛乳。それだけ。会場へ行く前に時間があったので、近所のスタバでショートラテを買う。ああ、メニューがハングルだよ。それどころか、周り中ハングル。当たり前だけど幸せ。会場までは今回の大会の運営スタッフでもある現地の獣医師が車を出してくれる。昨日の通訳の先生はいないので、ここでちょっとだけ私の韓国語が役に立つ。そういえば、昨日の夜もちょっと役に立った。たとえ流暢でなくても、韓国語で話ができるというのは、彼らにとっても便利なのだろう。彼らの英語も私たち日本人獣医師の英語も、そこそこの会話力しかない。しかし、ちょっとでも話してしまうと、通じると思ってすごい勢いで話し始めるので大変だ。何度も聞き返したり、ゆっくり話してもらったり、独学で学んだ私の韓国語なんて、まだまだそんなものなのだ。会場では私たち日本人獣医師は「Guest」と書かれたネームプレートを渡される。今回の年次大会の後援には日本獣医臨床フォーラムがまわっているのだ。名誉大会長はフォーラム代表の、我が恩師。先生にくっついて会場を回る。今回講義をする外国人講師の次に待遇がよいらしい。

2日間、昼食は外国人講師の特別食。夜はウェルカムパーティや打ち上げの韓定食。ここでもしどろもどろながら、韓国の先生方と話をしたり、ちょっとだけ通訳したり、冷や汗脂汗で韓国語を駆使(苦使?)する。そして2日目の夜、男の先生たちはみな女性がいるお店で2次会をするらしい。その時点で女性は私一人だけ。一緒に行くわけにはいかないけれど、夜はまだ早い。そしたら、現地の先生で昨年の臨床フォーラム年次大会で知り合い、情報の交換をした開業獣医師が、私をどこかに連れて行ってくれるという。日本側のコーディネーターがちょっと心配して「僕も行きます」と言ってくれたのだが、通訳の先生は「私も行くから大丈夫、必要ないです」と言うらしい。コーディネーターが恩師に「どうしましょう」と言ったら「大丈夫だと言うなら大丈夫でしょう」ということで、あっさりと私一人が、放り出される形となった。

通訳の先生と、以前からの知り合いの先生に、もう一人の開業医を加えた3人が連れて行ってくれたのは江南にあるクラブというかカラオケクラブというか、日本でもこういうところってあるのだろうか、カラオケボックスとはちょっと雰囲気が違う。そこに通訳の先生の妹分みたいな女の子を加えた5人で乾杯をする。韓国学生の定番「爆弾酒」はビールの中に焼酎を混ぜたもの、タイタニックというゲームはビールを注いだグラスにショットグラスを浮かべて、そこに一人ずつ順番に少しずつ焼酎をいれてグラスを沈めた人が負けで一気飲み、みんな順番に歌って、私もk-popを披露する。K-POP歌える日本人獣医師は滅多にいない、と思うけど。話をしているうちに4人の獣医師がみな1968年生まれの同級生、ということがわかり、だんだん大学の同級生だったかのような雰囲気になってきた。今度は日本で会おうね、いや、来月のレクチャーシリーズも韓国まで来るんだ、9月にはまた日本だよ、と延々と話し、気づいたら日付はとっくに変わっていた。G0先生、Jon先生、Mung先生、それからヒヨンちゃん、ありがとうございました。

韓国語を話せる、ということ。同年代の獣医師ということ。そして、獣医師としてもっと勉強しようと思っていること。それが私たち4人をつないでくれたのかな。本当に楽しい時間だった。純粋に歓迎してくれた先生方には本当に感謝。次はもうちょっと話せるように頑張りますよー。

ところで現地では専門書を買おうと思っていたのだが、韓国語の腫瘍関連の本は出版されていないらしい。他の本は特別に欲しい本がなく、韓英医学辞典を買った。35000ウォン。日本円で3500円。安い。買ったのはこれだけ。しかし、この年次大会の参加特典として皮膚科の本と行動学の本がもらえ、恩師が現地の獣医師に「私が翻訳しました」といってもらった本3冊も「これは僕が持っていても読めないからヒビマリにあげよう」といただき、6冊の本をスーツケースに詰め込んで帰ってきた。韓国語オンリーのプロシーディングも大切な資料。重かったけれど、日本では決して手に入れられない大事な宝物です。

あっという間の4日間が終わり、私は髪を切り忙しい春が来た。髪を短く切りすぎて助手がさめざめと泣いてしまったことで胸が痛い。まさか、そんなことで泣くとは思わなかった。ごめんね、切りすぎちゃった。でも美容師さんは楽しそうだったよ。

本当は韓国の話、もっともっと書ききれないくらいあるのだけど、またいつか、別の機会に。日記の書きダメはやめよう。とちょっと思っている。

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