週末はピンクのバンデージ
今日は大田区の職場までバイクで通勤。土曜日の環八は意外と車が多く遅刻しないかとひやっとする。
今日はなぜか午前中の外来がほとんどなく、午後ばかりが忙しかった。その中でも最近ずっと気がかりなのが猫のサイレンちゃんで、1ヶ月ほど前に怪我で後ろ足の皮膚が大きくはがれ、肉もそげている状態だったのが、最近かなりよくなってきた。・・・と書くと簡単なようだが、ここまでくるのには時間もかかったし、管理も難しかった。怪我をしたりして皮膚が大きくなくなってしまったときの治療方法はいろいろあるが、この「創傷管理」だけで、数時間のセミナーができるほど奥の深い分野でもある。
実は今回サイレンちゃんのために、今までこの病院の本院でも使われていなかった新しい素材を本院の院長に頼みこんでわざわざ導入したのであったが、私以外の誰も使用経験がなく、創傷管理にこだわりもなかったため、思ったよりも経過が長くなってしまった。よくなったな、と思った次の診察にはキズは異臭を放ち、手ごわい細菌が増殖している様相をおびていたことも何度かあった。そのたびに治療は一歩下がって初期に後戻り。何度飼い主さんをがっかりさせたかもしれない。
このへんが非常勤獣医師のつらいところでもある。毎日見ることができたなら、もっと細かい管理ができたかもしれないな、とちらっと思ったりもするのだ。この1ヶ月間、飼い主さんは根気強く通ってくださり、一進一退を繰り返してきたキズはかなりよくなっている。あともう少しだ。サイレンちゃんのキズがよくなってきたのは獣医師の力だけでなく、こうして根気強く通ってくださった飼い主さんの力も大きい。
これだけ毎日に近く通っている飼い主さんには頭の下がる思い。せめてもの尊敬の念をこめて、診療費を少し削ったりしている。これも院長に何か言われちゃうかな、と思いながら、これ以上は下げられないギリギリのところまで処置料を安くしてみたりする。いいじゃん、これくらい、だってほとんど毎日通ってるんだし。なんて心でつぶやきながら計算書を書く。もっと早く治してあげたかったな。
週末なので、気分も華やかなテープで巻いてあげる。お大事にね、サイレンちゃん。
