Monday, March 26, 2007

未練

ゆうべの夢は、大田区の病院に行く、というものだった。辞めたばかりなのにね。

支えてくれる歌

世界フィギュアで優勝した安藤美姫選手が、自分を支えてくれたという歌にあわせてエキシビジョンの演技を披露した。1年間のプレッシャーから開放された安藤選手のほっとした表情がとても印象的だった。大粒の涙を流した彼女の、これからのさらなる活躍を期待している。

支えてくれた歌といえば、私がここ最近でもっともへこんでいた時期に聴いていたのは、韓国のg.o.dという男性5人のグループだ。人気と歌唱力で国民的グループとも呼ばれ、日本でいったらSMAPだろうか?少なくとも、日本で売り出している東方神起や神話といったグループとはちょっと違っていて、ただの若者グループではないと私は思っている。彼らの歌に興味をもったのが、韓国語を勉強するきっかけだった、という話をすると、韓国人は笑うけど。
その彼らの5作目のアルバムを、バンコクで友人になった韓国人女性が帰省した際に私へのおみやげとして買って来てくれた。その中の2曲目が「Kil(道)」という曲だった。その頃は、まだまだ韓国語も勉強を始めて間もなかったのでネットで歌詞の意味を調べたりした。(http://www.turboclub.net/)
それがその頃の心境とあまりにもはまっていたので、スクンビット通りの喧騒の中で、夜中の寝室で、その曲を聴いては涙したものだった。
・・・・あれ?これって支えてくれてないじゃん。へこみスパイラルが加速するだけだった?
ともあれ、とにかく当時CD擦り切れる(?)くらい聴きまくり、g.o.dを聴かない日はなかったし、コンサートのビデオを繰り返し見ていたので、ある曲のサビの部分は助手が口ずさむほどであった。
そんな、思い出のg.o.dが、実は2005年の秋に解散していたのを最近知り、それはショックだったのは言うまでもない。

名曲と呼ばれる歌はたくさんあるけれど、自分にとってのベストな1曲って、何ですかね。最近は伊藤由奈の「I'm here」にはまっている。どうも「道」には弱いみたい。

Saturday, March 24, 2007

本日、大田区にあるベルピアージュ動物病院を退職する。気付けば3年が経過し、出勤する電車の中でここでの出来事を思い出せば、涙腺が弛むのを禁じ得ない。
もう、ベルピアージュでの明日は来ない。今日も最後の診察に来てくれる人がたくさんいるかもしれないけど、これからも元気でと言いながら泣いちゃうかもしれない。
みんなみんな元気で!さぁ、今から仕事です。

Monday, March 19, 2007

パワーアップの先にあるもの

掲示板に、バンコク行きますと書いたその日のうちに、NORAママさんからメールが届いた。レス早いですねー。びっくりしました。
バンコクは久しぶり、で、気づいたら助手のパスポートの期限が確か今年の5月だったはず。入国時6ヶ月以上の余裕がなくちゃいけないから、写真を撮らせて自筆でサインさせて、新しいパスポートを申請した。この間のときは、まだまともな日本語が書けなかったから私がサインして下に(by Mother)と書き入れた。もう帰国してから5年、たつんだなあ。

でも、5年分、年もとったけどパワーもアップしていますよー。次々と押し寄せる腫瘍症例に、がっつり立ち向かっています。というか、なんでこの病院、腫瘍症例が多いのだろう???しかも、手術して「治りましたねー」なんていうのが、ほとんどない。私が辞めたあと、誰がこんなヘビーな症例につきあえるのか、すごく心配。なぜなら、教科書には本当に必要なことが書いてないから。ただの解説書でしかなくて、トラブルシューティングがない。腫瘍症例は教科書どおりになるとは限らない。治療はその進行度に応じて治療目的や治療方法が変わるので、まずはその進行度を見極めなければならない。

ちなみに、そんなこと、大学では学んだことがなかった。私が学生のとき、犬や猫に関する講義は5年生の土曜日の午後に、しかも選択授業としてあるだけで、あとは基礎的なことと産業動物のこと、そして公衆衛生などに関することが主体で、少なくとも国家試験に合格して大学を卒業したその日から、診察ができるような教育はされてきていない。
日本に16しかない獣医学部での教育が、15年前と比べてそれほど大きく変わったとは思わない。5年生の実習で、大学附属動物病院に学生がゾロゾロくるけれど、本当に目標や進路がしっかりしていて勉強している学生は多くない。みんな何となく臨床(いわゆる町のお医者さんとか)になろうかな、という程度なので、目の前で繰り広げられている大学における高度医療や二次診療の現場についてこられない。ああ、もったいない。無駄ムダ。頑張れ、獣医学生。
国家試験に合格して晴れて獣医師となっても、現場で己の無力さにうちひしがれる若い人も多いと思う。試験で点が取れたって、どんなに知識があったって、現場で動けて飼い主さんと話ができなければ臨床獣医師としては、優秀ではないから。
そういう現場教育や、犬猫に関する臨床教育が十分でないからこそ、先日のブログに書いたレクチャーが必要なのだと、強く思う。そして、そういう若い獣医師を育てる環境としての、動物病院が不可欠であることも、付け加えたい。
それなのに、若手獣医師を安価な労働力扱いする院長も少なくない。困った問題だが、今の私にはどうすることもできない。

自分ひとりでたくさんの症例を診る事もできないし、ヤブ獣医のせいで末期になってから転医してくる子達をみるのもつらい。いつまでも、この病院で働くこともできない。それなら、いいこと思いついた。
私が知っていることを、若い人たちに教えてあげればいいんじゃん!!ただ・・・獣医腫瘍認定医とはいっても、2種というのは序の口で、実は1種という格上があるので、そんなに堂々と大々的にセミナーをするほどのもんではありません。世の中、やはり私の恩師であるI先生や、腫瘍科のS先生、後輩で米国腫瘍内科専門医のK先生と比べると、まったく私などは未熟も甚だしいわけで・・・。でもでも。
ここでひるんではいけない。せめて、私が大学病院で学んだことだけでも若い先生方に教えてあげれば、彼らの知識や臨床力が少しあがるはず、なんだから。
これをでしゃばりだとかおせっかいだとか、言う人がいても構わない。それを望む人がいるなら、それはでしゃばりではないから。例え2種認定であっても、少しでも役に立てることがあるなら、いいじゃん。

もしこのブログを読んでいる獣医師の先生で、興味のある方はどうぞお気軽にご連絡ください。アドレスはHPの相談メールからリンクしてます。また、動物看護士の方も歓迎しますが、ちょっと難しいかもしれません。一般の方には難解な部分が多いです。
とか書いて、何のレスもないかもしれないけど。

Thursday, March 01, 2007

水曜レクチャー

水曜の夜は、飯田橋でレクチャーシリーズというのがある。日本臨床獣医学フォーラムというところが主催して、週1度ハイレベルな講師陣のレクチャーが2500円で聴けるのだから、これは絶対に若い獣医師にはお勧めだ。だって、大阪の大きな学会なんかは、参加登録費とプロシーディングで32000円もふっとんでしまうのに、聴きたい講義はたいてい重なっているので、やたら高くつくのだ。
若い獣医師だけでなく、すでに臨床になじんだ先生が、大学では教わらなかったことや、習ったけど忘れちゃったこと、そして日々進歩する獣医学のトピックスを学ぶ場としてもお勧めしたい。主催しているフォーラムの代表がかつて教鞭をとった大学の、まさにその代表の研究室に籍を置いていた私であるが、若い頃の不勉強を補い、さらに前進するために今年はできるだけ通うようにしている。このレクチャーと同等のことを大学で教えてくれたら、日本の獣医学レベルが底上げされることは間違いないのだが、すでに開業している先生方が勉強してくれないことには、せっかく若い先生が勉強しても、宝の持ち腐れならぬ知識の持ち腐れになってしまう。ぜひ、おっさん獣医師や育児休業したままのママさん獣医師にも来てほしい、と願う。
2時間というものの、みっちりと聴いていると帰りの電車の中では頭が痛くなるほど、脳の細胞が活性化しているのがわかる。今日の内容が頭の中でわんわんと響き渡るので、日付が変わるころたどり着く我が家で、眠くなくなってしまうという現象がおきる。ここが問題。
木曜の朝は早いのだ。大学に7時半くらいには行かなくちゃいけないから、朝は5時半には起きたい。それなのに、眠くなくなってしまうから、つい起きていてしまう。
寝なきゃなー、寝なくちゃなー、でも眠くないー。今日のレクチャーもよかったなー。こういうとき、東京に近いところに住んでいることに感謝してしまう。いやいや、そうじゃなくて、寝なくちゃ。おやすみ。